ファーストキスは、最後のキス
「屯倉ー!さくら、起きたよぉ!」
「ちょ!ぃ、今はいいって!」
「さくら?起きたか?」
カーテンの向こうから、影が見える。
慌てて、リツの後ろに隠れようとする。
うぅ…。
こんな情けない姿、お見せできません。
熱中症で、ぶっ倒れたなんて。
カーテンを開けて、翔が入ってくる。
「じゃあ、あたしは帰るわ。屯倉、悪いんだけど、今日さくら送ってってくんない?あたし、今日は宿題が溜まってんだわ」
「……あぁ、わかった」
ぇえ!!
そこ「わかった」言っちゃう!?
「んじゃ、さくらまた来週ね~♥」
リツは、怪しい笑みを浮かべながら手を振ると、保健室を出て行った。
「熱中症だって?大丈夫か?」
「ぅ、うん」
翔は、私の寝ているベットに腰を下ろす。
「明日、遊園地行こうと思ってたんだけど、辞めとくか?」
「大丈夫!!もう、超元気になったから!」
ここで中止にさせるわけには!!
意地でも行くんだから!
「じゃあ、明日の待ち合わせ、駅に集合な★」
「うん!」
良かったぁ。
中止にさせられたら、私、半年くらいは軽く落ち込んでるもん。