ファーストキスは、最後のキス
ベリー・ベア。
"プシュ―…"
【お疲れ様でした。レバーを上げ、お降りは……】
ぉ、終わった…。
ヴ…。やっぱり、気持ち悪い。
「心折れた…」
「さっきまでの強気は、どこに行ったんだよ」
「宇宙の果てへと、消えていきました…」
ここまで、落下時間が長いだなんて…。
予想外。
「私、気持ち悪くなってきた」
「俺も…。ジュースでも飲むか」
重い足取りで、フードコートに行く。
私は、コーラを頼む。
コーラの入った紙コップを受け取ると代金を支払う。
翔は、レモネードを頼んだみたい。
近くのテーブルのイスを引いて、腰掛ける。
ストローを袋から出すと、紙コップのフタの穴に、ストローさす。
「あのジェットコースター結構酔うな」
ストローの先をつまんで、いじる翔。
「うん。後に乗ってた人たち大丈夫だったかな?」
私も、ストローを持って、中の氷をツンツン突く。
「多分、全員酔ってると思う」
クスクス笑いながら、ストローに口をつける。
炭酸が口いっぱいに広がる。
「さっきは、俺が乗りたいやつ言ったから、次はさくらな!」
「…じゃあねぇ…。回転ブランコ!」