図書委員の彼は。


夏服のブラウスを六月の風がそよそよと揺らす。
まだ少し肌寒いかな…なんて思いながら、教室の窓から見える景色を見た。


雲一つない快晴。
太陽が私の瞳に光の矢を飛ばし、自然に目を細めた。

放課後の賑やかさが、背中のザワザワとしたざわめきと共に伝わってきた。


「今日も図書室?」

振り返ると、少し茶色がかった髪が特徴の女の子、つまり私の親友の‘あき’が微笑んでいた。


『うん』

と返すや否や、あきは私に近づいてきて、

「幸せそうな顔しちゃって。そんなにアイツに会えるのが嬉しいの?」

唇を尖らしながら、聞いてくる彼女に、またもや

『うん』

と答えた。

< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop