図書委員の彼は。
夏服のブラウスを六月の風がそよそよと揺らす。
まだ少し肌寒いかな…なんて思いながら、教室の窓から見える景色を見た。
雲一つない快晴。
太陽が私の瞳に光の矢を飛ばし、自然に目を細めた。
放課後の賑やかさが、背中のザワザワとしたざわめきと共に伝わってきた。
「今日も図書室?」
振り返ると、少し茶色がかった髪が特徴の女の子、つまり私の親友の‘あき’が微笑んでいた。
『うん』
と返すや否や、あきは私に近づいてきて、
「幸せそうな顔しちゃって。そんなにアイツに会えるのが嬉しいの?」
唇を尖らしながら、聞いてくる彼女に、またもや
『うん』
と答えた。