図書委員の彼は。
「恋する乙女の顔しちゃってさ。あきちゃん寂しいぞぉ」
『もー、何言ってるの!』
こんな風に、いつも私のことを大事に思ってくれるあき。
特に、最近の過保護ぶりと言ったら半端ない。
「私も少しだけ図書室のぞこうかな。久し振りにアイツの顔、見たいしね」
ニヤリと白い歯を見せてはにかむあきと共に、私はいつもの場所、そう図書室へと向かう。
いつもは放課後、一人で歩むこの廊下。
今日は少し賑やかだな、なんて嬉しい気分になった。
何度通っても、慣れることなんてない。
それは当たり前であって、私には不思議なこと。
あなたに出逢って、私の心は万華鏡のようにゆっくりと、それでも確かに綺麗な模様を描き出したの。