-towani-
文化祭の最終日の夜。
なんとご飯に誘われてしまいました。
クラスのみんなでファミレスに行って、
ファミレスなんて初めてで、
こんなに大勢で食べるご飯は初めてで、
何だか緊張した。
「…………あれ??
久野くんはいない…。」
「あー茜はバイト」
「文化祭が終わったばっかりなのに…」
「あいつ、
体育祭の後でもバイトいくし、
熱引いても行くからな…。」
「なんでそんな…」
「あいつん家、大家族だからな」
「高野くんは
久野くんと同じ中学だったんですか?」
「そーだよ? 家も近いし
あと敬語いいよ。 タメだし」
「…癖みたいな物で…;;」
「それおかしいって。
タメとか後輩にはいいって」
ニコッと笑顔を見せる高野くんは、
久野くんと似てる。
幼馴染だったら似てるのかな?
「今日は頑張ってたしいっぱい食べなよ?
どぅせ文化祭で稼いだ金で食べるんだし」
「ぁ、そーなんだ…」
自腹かと思ってた。
そんなにお腹が減らないから、
今日はサラダだけ食べて、
ジュースを飲んで周りの人を見ていた。
みんな今日撮った写真とか、
今日から付き合う事になったとか、
いろんな話をしていたけど、
あたしは会話の中に入れなかった。
「立花さん」
声がした方を見ると、
高野くんと椿木さんがいた。
高野くんがチョイチョイと手招きをするから
行ってみたら、
いろんな話をする事になった。
高校生になって、
文化祭をして、
あたしは見たことも無い
あたしを、
見るようになった。
味わった事も無い幸せを、
味わっている。
すんごい……幸せだ。