-towani-
久野くん
冬になりました。
吐く息は白くて、
耳や指先がジンジンしてしまいます。
そんなに寒いのに、
学校の女の子達は細い脚を出して、
凄いと思います。
帰りには肉まんや焼き芋とか、
誘惑に負けてしまいそうです。
あたしが、
初めて久野くんと話をして、
1ヶ月が経ちました。
「滉おはよー」
「おっおはようございますっ///」
「敬語じゃなくていいって(笑)」
「ど、努力します」
「敬語になってんぞー(笑)」
最近では椿木さんが話し掛けてくれて、
毎日幸せです。
「あ、茜はょー」
「はょー……」
「また早朝バイト?」
「そ。寝かせて……」
「はいはいお休みー」
久野くんは教室に入ってすぐに寝ちゃったけど
「茜昨日のテレビ見たぁー??」
久野くんは男女問わず人気者だから
そんな簡単には寝れないだろうな…;;
「悪ぃ寝かせて……」
モゾモゾと動く久野くん。
「あ、アイツ俺置いて先教室行きやがって…」
「はよー春」
「はよ」
久野くんと高野くんはいつも一緒に
登校しているみたいで、
毎日一緒に教室に入ってくる。
(因みに、
高野くんの下の名前は春暁ハルアキです)
こんな感じに、
文化祭を機にあたしの世界は一気に広がった。
毎日が楽しくて、
毎日が幸せだった。