-towani-
「ぁのっ!!
久野く、んっ!!
か、代わるよ!!」
「………。
ありがと!!」
久野くんは使っていた包丁を置いて
手を洗ってから怜依ちゃんの所に行った。
勇気出してよかった。
久野くんが笑った。
嬉しいな…。
「どれ切ったらいい…かな…?」
「んじゃ肉よろしく」
「はいっ」
こぅやって隣に人がいるのは
まだまだ違和感があって、
あたしに笑顔を向けてるって思うと
夢みたい。
嬉しすぎる。
「立花切るの上手いな。
料理とかしてんの?」
隣にいた高野くんがあたしに訊いた。
「ぁ、はい…。
家事は……できるんで」
「すげー………。
………お前も見習えよ」
「言われなくてもわかってます!!」
っと高野くんと椿木さんが話していた。
「愛花ぁー圭太はぁー??」
「圭太?
部活だけど今日は珍しく昼まで
って言ってたからもぅ少しで帰って来るよ」
「わかったぁー……」
尭くんは少しだけ不貞腐れて持っていた
野球ボールで遊びながら
どこかに行ってしまった。
「圭太って…」
「あーコイツの弟。
今中1で尭と仲いいんだよ」
そぅ教えてくれたのは高野くんで、
椿木さんを指差していた。