超短編
なんであんな遠くに、ゴミ箱があるんだよ・・・。

公園のベンチに腰掛けて。

飲み終えたペットボトルを手に、男は呟いた。


(あんな遠くに、ゴミ箱があるほうが悪いんだぜ?ベンチの下にでも転がしておけよ!)

頭上に現れた悪魔が、したり顔で囁く。


(何を考えているのよ!ちゃんとゴミ箱に捨てないとダメ!それがマナーというものよ!)

心の天使が、それに反論する。


男は悩む。


どうしよう、面倒臭いな・・・。

ふとそのとき、隣のベンチに腰掛けていた女性と、目が合った。


かなりの美人だ。


同じように、飲み終えたペットボトルを片手に持っている。


「よろしかったら、そのペットボトルも一緒に捨ててきましょうか?」

爽やかな笑顔で、男はそう言った。

<終>
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