【短】王子様と罠に落ちた私
「ほら、夏樹ちゃん、あ〜ん」



私は、この人と本当に付き合っていいのだろうか…

嬉しそうに私に卵焼きを差し出してくるこの男、こんな風に甘い顔をしているが、これを拒否しようものなら、さまざまな言葉を使って私を脅してくる。



「あ…あ〜ん」



そうして口に広がる甘い卵焼きとの味は、周りから『きゃ〜っ』っと聞こえてくる悲鳴で、しょっぱいものに感じた。

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