【短】王子様と罠に落ちた私
「夏樹は気づいているのか分からないけど、ありゃ結構腹ぐろだからね…」


「ふう…夏樹ちゃん、常に冷静に見えて案外ぼけてるからな〜」


こんなことを言われているとは思いもよらない夏樹は、あいかわらずお弁当を食べさせてもらっている。


「ていうかさ、夏樹って上川くんのことすきなのか?」


「そこだよね…今の状態は明らかに…」


「「流されてる」」


静香は思った。
(どう見ても上川くんが夏樹をいいように操っているのよね〜。夏樹いじりは私の専売特許だったのに…こうなったら徹底的に邪魔をしてやろうっと。)


愛美は考えた。
(上川くんにいいように遊ばれている夏樹ちゃんもかわいいけど、やっぱり自分で夏樹ちゃんをいじる方が何倍も楽しい…邪魔しちゃおうっと♪)
    


ふふふと笑うこの友人たちを、夏樹は外見が美しく、中身も美しい友人だと信じていたが…




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