【短】王子様と罠に落ちた私
そのとき、夏樹は何とか上川くんに『あ〜ん』攻撃をやめてもらうことに成功していた。 


しかし、急に背中を悪寒が走った。


「どうしたの?」


急に自分の体を抱きしめた夏樹を不思議そうにみる上川くんに、へらっと笑い返しながら夏樹は首をかしげた。



気のせいな?今一瞬邪悪な気を感じたんだけど…



キョロキョロと周りを見回しても、自分を睨んでいるような人は見当たらないし、友人たちはにっこりこちらを見ている。



気のせいか!



友人たちの笑みの意味に気づかないまま、夏樹は再びお弁当を食べはじめた。



自分が、似たような人種に気に入られていることにきづくことのないまま…


アーメン



「はくしょんっ」
「う〜、誰か噂してるのかな…?」

「夏樹ちゃん、寒いの?暖めてあげようか?」

「えええ、遠慮しときます!」

「…ちっ」




☆えんど☆
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