【短】王子様と罠に落ちた私
その瞬間。


うおーーーーー!!!
きゃーーーーーー!!


っと、クラスの中から二種類の声が聞こえた。
前半は、男子のおたけび、後半は女子の…悲鳴。


な…なにごと!!?



そして目の前の上川君から、全くもって信じがたい言葉が紡がれた。





「じゃあ、今から僕たち彼氏と彼女だね。よろしく、夏樹ちゃん。」



語尾に音符マークでも付いていそうな彼の言葉を聞いた時、私は一瞬何を言われたのか理解できなかった。


ーーーぼとっ



手に持っていた黒板消しが床に落ちて、しろいチョークの粉が舞う中。




「えええええええええええええええええええ!!!!」




愛美と静香いわく、学校中に響いたという叫びを、私は発していた。
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