消えたい
第二十章『友と呼べる人』
朝から雨が降っていた
いつもはする
小鳥の軽やかな声が聞こえないのは
この雨のせいだろうか
水たまりを避けて歩く私の靴下を
地面で跳ねた冷たい雨が湿らせた
「仲沢さん」
こんな雨の日に
由妃に呼び出された
「…何で制服なの?」
私は制服を着ていた
日曜に制服を着た学生を見るのは珍しいせいか
周りから視線を感じる