消えたい
第八章 『思い出になった存在』

その存在は

消えていた


そう思ったけど


…違う


その存在は

消えたんじゃなかった


深い

深い

心の底に


心の箱に


そっと

腫れ物を触るように


優しく入れて


蓋をしていた
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