ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
「え?先生は職員室に一旦戻られましたけど・・・」
髪の長い女の子が、ぺこっと礼をしてから職員室の方を指差してくれた。
「ども」
お礼をして立ち去る瞬間に、もう一人の女の子があわててこっちを見て礼をしたんだ。
あ・・・・。
と思ったときには、2人は空になったバケツを持って体育館のほうにかけていった。
長い髪の女の子が、「シオ、待って」と叫んでるのがふと耳についた。
どこかで・・・・、会ったことが・・・ある。
って、思ったんだ。
「どこかで会ったことなかったっけ」なんて。
そんなタイチみたいなこと、女の子に言えるはずもないし。
・・・・バカだな。
やっとめぐり合えた「初恋の少女」に間抜けな俺はまだその時気づくことができなかったんだ。