ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
「修也!俺先にトモつれて体育館戻るから、あとゆっくり来て~」
「おお」
手を挙げたその先で、凛ちゃんが「私もトモと行く~」と走っていくのが見えた。
ちらっ、と横を見ると、聞こえてるのか聞こえてないのかじっと道端を見つめてる彼女がいた。
・・・・・・?
視線の先。
決して多くないけど、少し日陰になったところに生えているクローバー。
「見てく?」
俺の言葉に、ようやくはっと気がついた彼女はぷるぷると首を横に振った。
「いいです」
「ここのクローバー。縁起がいいらしいよ。願い事が本当にかなうんだって」
「え?」
「探してみる?」
彼女は一瞬出した驚きと期待が入り混じったような表情をすぐに消して、ううん、と首を振った。