ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
タイチにも誰にもヒミツの彼女とのデート。
デート、って勝手に俺が思ってるだけなのかもしれないけど、
何かと理由をつけて俺は彼女と会った。
バスケットの話がほとんどだったけど、そのなかに垣間見える彼女の優しさや気遣いがますます俺を夢中にさせていく。
そして、映画館での告白。
初めはするつもりなんてなかったんだ。
けど・・・・数日前にトモから伝え聞いたというタイチがつぶやいた言葉に俺はあせってしまったんだ。
『汐ちゃんさ、もしかして好きな奴がいるみたいだ、ってさ・・・』
何気なく言ったんだろう、その言葉が長く頭に張り付いてはなれない。
誰だよ。
俺?
いやいや、会うときはいつも彼女は緊張していて、話し方もまだ敬語だし・・・。
だから・・・・
だから、余計にあせってしまったんだ。
思わず握ってしまった彼女の手の柔らかさに、止めることが出来なかった。