ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
「なん、だよ・・・・・それ」
さっきまでの酔いが嘘のように醒めていく。
なんだよ・・・それ。
「でさ。問題はそこからなんだ。相手の男がなんか凱に退学を求めてるらしいんだ」
「は?」
悪いのは、そっちだろ?
「しかもさ。あの高校って対外的なものを大分気にしてるだろ?それで・・・今凱をやめさせるのはまずい、ときた。で・・・・これはまだ発表にはなってないんだけど、汐ちゃんを・・・」
汐?
「は!?なんだよ、それ!」
「だから・・・今大学の監督からも穏便な措置を頼む、っていう話はいってるらしいんだけど、今のところは・・・正直微妙なとこだよな」
「なんで・・・・」
「・・・え?」
「なんで、早く言わないんだよ」
「は?・・・・といっても、お前は帰ってきたばっかりだし・・・・」
「くそっ!」
思わず椅子をけって店の外に飛び出した。
どうしたらいいのか、
自分が何をできるのか、
そんなこと考えてはいられない。
ただただ、やっぱり汐のそばにいるのは俺じゃないんだ、という現実が
俺を突き動かしていた。