ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
学校から出ると、校門のところによりかかるようにしてタイチが待っていた。
「どうだった?」
ううん・・・
首を横に振った俺をみてタイチがふうっ、と息をついた。
「やっぱり他の視線が気になる、ってとこか・・・難しいな」
タイチの言葉に、もしかしたら、という思いがこみ上げる。
本当は、使いたくない方法。
けれども、ここでは・・・・。
「タイチ、悪い。俺タクシーで家に帰るわ」
「あ、おお」
手を挙げてすぐにつかまえたタクシーの後部座席で、俺は携帯を開いた。
「もしもし・・・俺・・・。今から帰る」
短い会話を交わして携帯を切ると、座席に深く座り込んだ。
汐。
今、何してる?
もう少しだけ待ってて。
お前も、お前の好きな凱も・・・俺が絶対に助ける。