ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
6th.story
「バスケは・・・やめる」
退院して帰った実家で俺は両親にそう告げた。
「修也・・・・・・っ」
母さんは泣いてたけど、父さんは腕を組んだまま黙ってる。
「今まで・・・・・ありがとう。けど、これからは、父さんの手伝いをしていくから・・・」
「修也」
うつむいた俺の言葉を父さんはさえぎった。
「お前は・・・・本気でバスケをやめることが、できるのか?」
「え?」
「道はひとつじゃない。修也・・・・、まだ決めるのは早いんじゃないか?」
は?・・・・・父さん?
俺の肩をぽんと叩いて、父さんが部屋を出て行くのを、俺は呆然と見送った。
「どうなってるんだよ・・・・」
つぶやいた俺の横で、母さんがハンカチで涙を拭いながら教えてくれた。
「堂島汐さん?先日いらしたのよ」
汐?
顔をしかめた俺の前で母さんはかすかに微笑んだ。