ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
凱は、アメリカに早めに戻ることが決まって、
汐も卒業したら、ううん。もしかしたら一緒に行くのかも、とさえ思っていた。
タイチが教えてくれた凱の出発日は・・・・おととい?
それなのに、汐がなぜ家に来たんだ?
「栗原さんが、私達の前で頭を下げられた時にはびっくりしたわ。
『私のせいです。本当に、本当にすみませんでした』って。
それでも、栗原さんをせめるわけには・・・いかないでしょ?」
「・・・・・?」
母さんは嬉しそうに微笑んだ。
「見てたらわかるのよ。修也が大好きな子なんだな、って。病院に毎日来てくれてた時から気づいてたわ」
「母さん・・・・」
「汐さんが教えてくれたのよ。修也がバスケをどんなに好きか。皆が修也を必要としてくれること。修也には、今バスケが必要だって言うこと・・・」
「今?」
俺のその言葉に、母さんはまた涙を流してうなずいた。
「お父さんも泣いてた。栗原さんも・・・・やっぱり泣いてた」
・・・・汐。
「修也。可能性が少しでもあるなら挑戦したほうがいい。時間はどんどん取り戻せなくなるから・・・・これも汐さんの言葉ね。・・・・・私も、彼女が大好きになったわ」