ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』

ショートカットの髪は汗で少しキラキラしてて。


頬が上気してピンクになってる。


「完全負け試合、かな」


彼女のチームがこの大差をひっくり返せるほど、残念ながら残りの時間はなくて。


そして、きっと、タイチが言ったように体調が明らかに悪い。


てか、やばい。


腰を痛めてるんだと、思う。


けれど、彼女はきっ、とゴールを見つめたまま・・・・・・


ピピーッ!!


最後のホイッスルが鳴り響き、コートの中に歓声が響いた。


「終わったね・・・・」
タイチがつぶやくのを聞いて、人が入り混じるコートの中を見ると、



コートの中の彼女は・・・・・・


ただゴールをにらむように見つめて・・・なにか、を言ってる?


それはもちろん歓声にまぎれて聞こえないけど・・・


ばい、ばい?

それから・・・・?


「おい、修也、そろそろ行こうぜ・・・・・修也?」


「あ・・・・うん」


まだ、一目ぼれしたことなんて気づいてなかった。


なんとなく、気になって・・・それがずっと後まで続くなんて思っても見なかったんだ。




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