ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
7th.story
「この手術をして成功する確率は3割程度だと考えてください。それでも、希望されますか?」
3年後・・・・
目の前の主治医の先生が言った言葉に、心が躍った。
成功する確率が・・・あるんだ。
きっと、その俺の表情に、先生はyesだと思ったんだろう、少し笑みを浮かべて机に向き直りかけた。
けど・・・・
「ちょっと・・・待ってください・・・・返事はもう少し後でもいいですか?」
「え?」
先生は予想外の答えに一瞬戸惑ったような感じだったけど、うん、とひとつ頷いて、
「不安は誰にでもあるものですよ。けれど、私はあなたにバスケットのプレイをして欲しい。見てみたいんだ。実際の試合を」
「・・・・ありがとうございます」
にっこりと笑った先生に礼をして診察室を後にした。
・・・・もしかして、またプレイが出来るのか?
胸がドキドキしてとまらない。
すげー、興奮してるのがわかる。
きっと・・・・きっと、汐に言ったらすげー喜んでくれるだろうな!
バッグから携帯を出して、汐の番号を押す手がふと止まった。
けど・・・
さっきから何度目かの「けど」に体が固まる。
俺の足が「治ったら」汐は・・・・どうするんだろう・・・・。