ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
8th.story
小さいけど、プロバスケットボールチームの監督に就任できることが決まった頃、俺の運命がまた動き出した。
「日米親善試合」
話をしてくれた大学の監督は、ふー、っとため息をついてから一言言った。
「お前がもしも辛いんだったら・・・この話は別の人に頼むから」
監督も、きっとつらい立場だ。
凱の叔父さん。唯一の身内なんだから。
それでも・・・・
「いえ、喜んでお引き受けさせていただきます」
「栗原・・・?」
「監督、あいつは・・・凱は帰ってくるんでしょうか」
そう言った俺の顔を、監督は驚いた表情で見つめながらようやく声を出した。
「・・・い、いや。それはまだ決まってはないんだが・・・・可能性はある。だから・・・・・・いや、お前がそれで引き受けてくれるんだったらそれでいいんだ。なにしろ、いい経験になる」
「・・・・はい」
飲み込んだ監督の言葉の意味はよくわかってる。
俺は、ひとつ礼をして監督室を後にした。