ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
「修也、サオリから告られた、って本当か?」
「あ?あぁ・・・・」
大学2年生になった俺達は、それでも同じ生活リズム。
少し楽になった授業に、毎日のクラブ活動。
もちろん、バスケ。
それなりに充実した毎日ではある。
「な、サオリと付き合うの?」
「ん~~。ナイと思う」
「またかよっ!お前ますますソッチかよ、って思われんぞ。現にこの前なんか俺がお前の彼氏なんですか?って聞かれるしさ」
「ハハハ。それもいいじゃん」
「やめろよ。冗談でもキツイわ・・・・って修也、お前今からどこ行くの?」
「あ?練習に決まってるだろ?」
バッシュの袋を振ってみせると、タイチは感心したように肩をすくめた。
「監督がお前見習え、ってなるから大変なんだよな。この前1年に言われたぞ。『修也さんはもちろん高校の時からそうだったんですよね』って。俺答えられなかったけどな・・・・お前なんで大学からまた張り切りだしたの?やっぱり向こう、狙ってんのか?」
タイチの言ってる「向こう」・・・・つまりアメリカ留学と言うこと。
大学のチームに入ってみたい、という憧れは常にはあるけど・・・俺がバスケを真剣に取り組みだしたのは・・・・
「そうそう、修也。俺らの高校の男バスのマネ。超豊作らしいぞ」
「はは、またそんな話題かよ。どうでもいいし」
そう、どうでもいい。
俺の中でどうしても片隅から離れない、あの日の光景。
ゴールを見つめてたあの少女は今もバスケを続けてるんだろうか。
時々、思い出すんだ。