ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』

「修也、今日飲み会行くんだろ?」


タイチがボールをくるくると指でまわした。


「あぁ・・・お前は?」


「俺は、パス。彼女と約束、してんだ」


そう言ってタイチが投げたボールが俺の手の中で派手な音を立てる。


しびれるような指の感触に、思わず顔をしかめた。


「こんなとこで俺につきあってくれてていいのかよ」


俺がそういうと、タイチはあー、と天井を見上げて笑った。


「いいんだよ。てか・・・・お前の"リハビリ"につきあってやれるのって、俺しかいないでしょ」


「ハハハ・・・・そうだな。感謝してる」


ボムッ、ボムッ・・・床と手のひらの間でボールが重く行き来している。


何度目かに手の平にたどり着いたその丸いボールをシュッ、と投げると、それはリンクにはじけてあっけなく下へ落ちた。


「あらら・・・次回はシュート練習だな」


そうつぶやいたタイチの隣で、時計を見ると・・・


「あ、遅刻だ。ごめん・・・タイチ。今日サンキューな。また頼む」


「おー」


片手をあげるタイチにハイタッチをして俺はバッグをもって駆け出した。


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