ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』

「汐・・・俺・・・・・・・」


銀色のスティックを投げ出して、本当のことを言おう。


そして、もう一度ここでプロポーズをしよう。


そう思って、彼女の手をとったときに、その背中越しに見えたものに俺の体が固まってしまった。



・・・・・凱。



もしかして、これが運命、ってやつなのかな。



そう。



その時に、悟ったんだ。



あぁ、かなわない、って。



2人の赤い糸は本当にあるんだ、って。



凱が怒ったようにうつむいて、部屋を出て行くその姿を、見送る彼女は何も言わなかったけど、ううん。きっと何もいえなかったんだ。


その背中は少し震えていて、俺はたまらず目をそらしてしまった。



汐・・・・。


今日のキミの姿を見て改めて感じたよ。


俺は、キミを愛してる、って。


本当に、好きなんだって。


だって・・・・


だって、苦しいのに、切ないのに、嬉しいんだ。


今のキミを幸せにしてあげられるのは、もしかして俺だけかもしれないって。


・・・・たとえそれがどんなカタチでも。どんな結末であろうとも。


< 77 / 101 >

この作品をシェア

pagetop