ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
「汐・・・俺・・・・・・・」
銀色のスティックを投げ出して、本当のことを言おう。
そして、もう一度ここでプロポーズをしよう。
そう思って、彼女の手をとったときに、その背中越しに見えたものに俺の体が固まってしまった。
・・・・・凱。
もしかして、これが運命、ってやつなのかな。
そう。
その時に、悟ったんだ。
あぁ、かなわない、って。
2人の赤い糸は本当にあるんだ、って。
凱が怒ったようにうつむいて、部屋を出て行くその姿を、見送る彼女は何も言わなかったけど、ううん。きっと何もいえなかったんだ。
その背中は少し震えていて、俺はたまらず目をそらしてしまった。
汐・・・・。
今日のキミの姿を見て改めて感じたよ。
俺は、キミを愛してる、って。
本当に、好きなんだって。
だって・・・・
だって、苦しいのに、切ないのに、嬉しいんだ。
今のキミを幸せにしてあげられるのは、もしかして俺だけかもしれないって。
・・・・たとえそれがどんなカタチでも。どんな結末であろうとも。