最強☆マイヒーロー

体育館を出ると



「「碧の姫～！」」


―――パシャ



「……………」



大勢の人が、待ち構えていた……




その中から、一人の女の子が出てきて、私に



「あ、握手、してください……」


と言い、手を突き出してきた



（私、有名人じゃないんだけどな……）


とか思いながらも、その出された手を握る




女の子は、頭をペコッと下げて、自分のグループのところに戻った




女の子と握手して、普通嬉しいかなぁ？


好きな男の子とか、カッコイイ男の子だったらまだ分かるんだけど………




ていうか、教室、戻れなくない？！





ちょっ、誰か……




ヘルプミー！！！




ちょうどその時、




――――ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ！




手を打ち鳴らす音が聞こえた




横を見ると、赤色の髪をした、人懐っこそうな顔をした男の子がいた





「姫を無料で撮れるのはここまで！！！次から有料だから！


てか、今日はもう、撮るの禁止！



つーことで、さっさと自分の教室、帰れ～！」




声を大きくして、皆に呼びかける、この男の子





澤岸蒼（さわぎしそう）




青中出身の……って言いたいところだけど、


実は、新崎君と同じ、緋中出身。




通称『緋の番犬』
『緋の太陽』




太陽ってのは、明るくて、皆を元気にしてくれそう、っていうところからきたんだって。