愛誓 ~アイチカ~
第2章 君のいる街
学校
カナタがあたしの家に来てから、約1ヶ月が経った。
カナタは普通に学校に来ていて、時々あたしの席に来る。
この1ヶ月、不思議と泣いたことがなかった。
それはたぶん、カナタのおかげ。
家で誓のことを思い出して泣きそうになったら、ナイスなタイミングでカナタからのメールが来る。
一文しかないメールだけど、とても心温まるメール。
学校で誓のことを思い出して泣きそうになったら、カナタが来て手を握ってくれる。
カナタの手は冷たい。
手が冷たい人は心が温かい人なんだ。
誓が言ってた。
そして、誓も手が冷たかった。
華たち5人組は、どうやらカナタがお目当てらしい。
あたしがカナタと話していたら、なぜだか話しかけてくる。
まじうざい。