俺様甘甘王子様






 『雅…』




 そのやさしい声。


 そのやさしい瞳。




 やっぱり変わってない。


 お父さんだ。




 「…お、とうさん…」


 『雅』



 あたしは、顔を出した。





 
 でも、お父さんは、もうお父さんじゃない。




 あたしとお母さんを置いて行った。

 
 あたしたちを…




 『久しぶりだな。でっかくなったなぁ』


 「うん……」


 『雅……ちゃんと食べてるか?』


 「うん……」


 『今は1人暮らしだろ?』




 そうだ。


 あたしは1人暮らしをしている。





 


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