俺様甘甘王子様
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『雅、落ち着いた?』
「うん」
あれから何十分か過ぎたころ。
あたしの涙はやっとおさまった。
『何があったんだよ?』
「…」
『言わなきゃわかんねーっての』
龍の目は真剣だった。
あたしを見つめる瞳。
逃げちゃダメ。
「なんでも、ないわよ」
でも、勝手に逃げる。
龍に…言ったらどうなるの?
何にもならないでしょ?
言ったら、龍を巻き込むことになる。