俺様甘甘王子様




 
 後ろからした声。

 
 走ってこっちに向かってくる音。



 
 私は反射的に振り向く。



 そこには…

 モカブラウンの髪にゆるいパーマがかかってる男の人がいた。



 見た瞬間…ドキッてなった。



 『なんだ?片岡』

 『俺ッス!窓ガラス割ったの』


 
 無邪気な笑顔で笑う。

 
 それは…人の心を揺らがせるような笑顔。



 
 『片岡が?』

 『うっす!そのこ違いますよ~!』

 『証拠は?』

 『サッカーボール』


 
 廊下に落ちていた、サッカーボールを拾って


 先生に見せつける。



 『じゃぁ、片岡こい』

 『うっす』


 先生は私の手を離す。


 そして、片岡さんとユー人が私の横を通り過ぎようとした。








 

 
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