俺様甘甘王子様
ミトメタクナイ、シンジツ
『愛紗美チャン』
愛しい、先輩に名前を呼ばれる。
私は、足をピタリと止めた。
『愛紗美チャン』
「なんですか?」
『知ってたの?』
「はい、もちろん…
騙されてるなぁ…って思いましたよ」
大和先輩は、傷の付いた顔でフッと笑う。
いつもの、無邪気な笑顔じゃなくて…
疲れ切った笑顔。
そんな笑顔は見たくなかった。
幸せな時間は続くって思ってた。
いつまでも、一緒にいたいって思ったから…
だから…騙され続けた。
こう思うのは、変なのかな?
好きな人とずっと一緒にいたいって思うのが普通でしょ?