俺様甘甘王子様





 
 そのまま2人は、飾り付けを始めた。


 
 残ったのは、あたしと龍。



 
 「…龍?」



 あたしはゆっくりと口を開いた。



 『ぁあ?』

 「ありがとね」

 『えッ?!何がだよ?!』

 

 あたしもわからなかった。

 自然と出た言葉だった。



 急に恥ずかしくなって…

 顔が赤くなっていく。


 
 『おい』

 「なんでもないわよ!
  今の取り消し!!!!」

 『顔赤いぞ?』

 「うっさぃわね!!!」

 『俺等は、あっち行くか』

 「ぇ…」



 
 そう言って、

 龍はためらいもなく

 あたしの手を引っ張った。









 
< 319 / 506 >

この作品をシェア

pagetop