俺様甘甘王子様







 『雅、何かあったろ?』

 「へ?」

 

 龍が突然言い出した。

 真剣な顔をして。


 
 『なんか難しい顔してッから』

 「難しい顔って何よ?」

 『変な顔っつーこと。
  まぁ毎日変な顔か』

 「毎日って何よ――!!!」


 
 龍は、あははと笑って

 あたしの頭をクシャッとなでた。



 その姿を見たら

 何も言い返せなくなった。



 
 『雅?』

 「何よ」

 『言えよ』

 「何を?」

 『考えてること』

 「ないわよ」

 『まじ嘘つきなのな』



 あたしをにらんできた。


 


 

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