俺様甘甘王子様






 『とにかく、冷やしなさい』


 あさみんにいわれ

 あたしは軽く返事をし、

 教室を出た。



 「はぁ…」



 深くため息をつく。

 もう、

 ため息しか出ないのだ。



 トボトボと歩き、

 水道のところへ行って

 タオルを濡らした。


 
 後ろから足音がした。

 近づいた足音。

 そっと、あたしの肩に誰かの

 手が触れた。


 
 あたしは、

 バッと振り向く。


 
 『やぁ』


 
 そう少し高い声を出したのは

 光瑠くんだった。




 
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