俺様甘甘王子様





 光瑠くんは何を言いに来たの?

 龍が何よ?


 
 あたしに

 何を言うの?


 
 『怒ってるのわかる?』

 「わかる…」

 『何でかわかる?』

 「あたしが…蹴ったから?」

 『それもそーだけど…』


 
 あぁ、と言って光瑠くんは

 髪の毛をクシャッとした。


 
 『聞くけど、何で泣いた?』

 「それ…は」

 『龍に関するでしょ?』

 「うん」

 『雅ちゃんはさ、龍の気持ち知ってる?』



 あたしのことが好き…

 なんでしょ?


 でも、

 違うのかもしれない。

 だって…昨日。


 そう考えると

 言葉に出せなかった。

 言葉にするのが怖かった。


 あたしのコト好きじゃないかもしれない。

 もう…好きじゃないかもしれない。


 そう思うと…嫌になる。







 
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