俺様甘甘王子様





 
 ドスッ!



 「痛っ……」


 あたしは声をあげた。

 
 『いてぇのは、こっちだ』


 ……

 声を聞いただけで

 涙があふれてくるの。


 いつも聞いてるはずの声が

 久しぶりのように感じて。


 胸がきゅーっと締め付けられる。



 「龍…龍ッ!」



 痛いのなんか忘れてしまうほど…

 そんなことより…

 龍がこんなにも近くにいる。


 こんなにも

 近くに……


 
 あたしは、龍に抱きつく。

 腕にものすごい力がこもる。





 
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