俺様甘甘王子様


『じゃあ、帰る』


え?!それも困るッ!

あたしは、バッと立ちあがった。


「て、手伝ってッッ!!!」


大声で言ったから、教室に響いた。
余計に恥ずかしくなった。


『手伝ってください、だろ?』

「はぁッ?!なんで…」

『帰る』

「手伝って…ください」


ムカツク。けど、なぜか嬉しかった。


『しょーがねぇ、やってやるよ?』


あたしは、パァッと笑顔になる。

こんなヤツに笑顔を向けてしまうなんて…あたしバカだ。



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