初恋
ゴールしてから、夕飯まで自由行動になる。

とはいっても施設の外に出ては行けないけど…

やることもなかったので、美月は真緒ちゃんと一緒に散歩にでた。

すっかり雨も上がり、太陽がまぶしい。

地面はぬかるんでいて、芝生でゴロゴロできたら気持ち良さそうだっただけに、残念に思う。

ふと気がつくと、目の前に菜の花畑が広がっていた。

「真緒ちゃん!菜の花畑だぁ」

「すご〜い。綺麗!」

雨に濡れていっそう鮮やかに菜の花の黄色が発色していて、葉っぱのグリーンとのコントラストが恐ろしいほど美しい…

「こんなところがあったんだね…」

ふと見ると、真緒ちゃんが走り出した。

「どうしたの〜?」

真緒ちゃんの視線の先にはカメラマンさんがいた。

追いかけると、写真を撮ってと頼んでいた。

「あそこの菜の花畑が綺麗なんです。あそこの前で記念撮影してください♪」

そう真緒ちゃんが言うと、カメラマンさんは笑顔で言った。

「いいね!でも二人じゃだめだ。誰か友達連れておいで。」

「はいっ!!」

二人ではもりながら、いい返事をして走り出す。

とりあえず最初に目についた子を連れてこようと話ながら走る。

すると、遠くに見慣れた姿があった。
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