初恋
日曜日。

珍しく部活もお休み。

亜依と駅で待ち合わせて、買い物に行くことにした。

普段ツインテールにしている髪も、今日は下ろす。

待ち合わせに遅れること10分。ようやく亜依がきた。

「ごめ~ん!寝坊しちゃった…」

息を切らして謝る亜依。

急いで来てくれたことがわかる。

「いいよ~!今待っていたら、川田先輩たちが通ったよ」

「ほんと?買い物行くのかなあ」

「どうなんだろう…亜依と待ち合わせって言ったら、仲良しだねって♪」

部活内では何をやるのも一緒だった亜依と美月。

こんなに仲良しの友達ができて嬉しいな。

一緒に電車に乗り込み、街へ行く。

雑貨屋さんや、お手頃価格のカジュアルショップ。

あちこち巡る。

あっという間に時間は過ぎ、お昼ご飯にファーストフードに入る。

「うーん、やっぱりさっきのシャツ買おうかなぁ」

「あれ、可愛かったよ!亜依っぽかったし」

「じゃあまた行ってもいい?」

「うん!コレ食べたらいこっか!」

ハンバーガーを詰め込んで、お店を出る。

再びお店をめぐり、最後に雑貨屋さんへ行く。

かわいいヘアゴムを見つけた。

何色もあって、ビーズでできた小さなボールがついている。

「かわいい~」

しゃがみこんで、見ていたら亜依が「おそろいにしようよ!」と笑顔で言う。

美月はピンク、亜依はイエローを選んだ。

ツインテールにつけられるように2個ずつ・・・。

学校ではつけられないけど、亜依とおそろいのヘアゴムは美月のタカラモノになった。
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