初恋
6月 雨上がりの午後

科学と恋

「あれ?次はどうするんだっけ?」

科学の実験中、隣に座る明日香ちゃんに聞く。

「えーわかんないー。つっちー、どうすんのー?」

科学は美月もあすちゃんも苦手…。

同じテーブルには、土田くんとしぶちゃんがいる。

しぶちゃんは、はなから当てにならない(笑)

サッカー馬鹿だから、まぁ仕方ない。

しぶちゃんは小学校の頃から、サッカーをしていて、とても上手だった。

レギュラーにはなれてないけど、三年生が引退すればきっと選ばれる。

みんなそう思っているはず…

土田くんは運動神経もいいけど、進学塾に通ったり、小学校から英語の塾に通っていたりして頭が良かった。

「菅井はビーカーにこれを計って。清野は俺がいう数字メモして。」

テキパキと土田くんが指示を出す。

「はいっ。」

土田くんの隣で、数字を書き込む。

科学の実験は苦手だけど、土田くんと同じテーブルだから結構楽しみだったりする。

そんなことを考えていると、土田くんの言った数字を聞き逃してしまった。

「え?ごめん(汗)何て言ったの?」

「おい〜。ちゃんと聞いてろよ〜(笑)」

笑いながら美月にヘッドロックをかけてくる。

「ごめ〜ん」

全然痛くないヘッドロック。

なんか、土田くんに抱きしめられたみたいで嬉しい。

美月ってマゾかも…(爆)

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