初恋
「で?」

「でって…」

「あすちゃんはなんて返事したの?」

ここ一番重要だよね!

美月と幸恵ちゃんと4つの目で、あすちゃんを見つめる。

「わかんないって言っちゃった」

「え!?わかんないって何が?」

美月たちの頭にはてなマークが浮かぶ。

「だって矢口先輩は小学校のスイミングクラブからずっと一緒だし、恋愛感情とかないもん」

ちょっと怒ったようにあすちゃんが話す。

一瞬の沈黙のあと、幸恵ちゃんが質問した。

「でもさ、わかんないってことは、いやだってわけじゃないんでしょ?」

「まぁ…うん。そうかなぁ」

あすちゃんは何かを悩んでいるようだった。

あれ…もしかして…

「ねぇ、あすちゃん、百合ちゃんのこと気にしてるの?」

美月がそっと聞くと、はっと潤んだ瞳で見上げてきた。
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