初恋

隣のカレ

6組は男女の数が同じで、全員で36人だった。

1列6個の机が6列並んでいる。
美月は真ん中辺りの自分の席に腰かけると、隣の席は例のカレだった。

目が合い、微笑む。

息を吸い込み話しかけようと思ったら、担任が話始めた。

「このクラスの担任の林義弘です。科目は体育。部活は野球部をみている。野球部入りたいやつはいるか?」

背の高い担任は、ぶっきらぼうな話し方だけど、暖かみのある優しそうな先生だった。

林先生の呼び掛けに二人ほど手を挙げる。

「明日は新入生歓迎会がある。体育館でそれぞれの部活の紹介がある。興味のある部活があったら放課後見学に行くといい。」

新入生歓迎会!
なんだか楽しそうな響きにワクワクしてくる。

林先生は今週の予定をざっと話すと、自己紹介をするよう促してきた。

こんなとき、出席番号が真ん中辺りで良かったとひしひし思う。

最初の方だと考える時間もないし、後の方だとずっとドキドキしながら待っているのも辛いし…。

何を話そうか考えていると、順番はどんどんまわってきて、ついに隣のカレが立ち上がった。

「土田佑哉(ツチダユウヤ)です。桜小。ミスチルが好きです。よろしくです。」

土田佑哉くん…か…
声も涼しげでよく通って、気持ちが良かった。

部活、何するのかな…
バスケ部だといいな。

ぼーっと考えていると、担任から
「ほら、次お前の番だぞ」
と声をかけられた。

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