初恋
良く見ると女子バレー部の河合さんだった。

同じクラスの河合さん。

お兄さんが生徒会長で、明るくて男の子にも人気で、でも、ちょっと気が強くて・・・

美月は苦手なタイプ。

クラスでもあまり話してなかった子。

「河合さんだ・・・」

美月がつぶやくと、亜依が息を呑んだ。

河合さんは有名だから、知らない人はいない・・・

何で土田くんと歩いているんだろう。

河合さんが何かを言い、土田くんが笑う。

その光景を見ているだけで、なぜか胸が苦しくなる。

河合さんは土田くんの腕に、自分の腕をからませた。

土田くんは一瞬びっくりしたようだったけど、そのまま二人で歩き出す。

「美月・・・」

亜依がよりそって、腕をとって教室に戻る。

気がつくと美月は涙を流していた。


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