初恋
隆則とは家も近く、小学校からクラスも一緒で仲が良かった。
ミニバスでもチームメイトだったので気軽に声をかけた。

「隆則!同じクラスだったんだ!」

「え〜、今更!?さっき自己紹介したじゃん」

「自分のことでいっぱいいっぱいで、人のは聞いてなかったのー」

「清野、いきなりドジったもんな(笑)」

隆則と話ながらプリントを交換して書いてもらう。

「あ、隆則。この子真緒ちゃん。今日友達になったんだ。」

「高部真緒です。よろしくね。」

真緒ちゃんを紹介して、交換させる。

「つっちーも交換すれば?」

隆則ってば気が利くじゃん。と心の中で思いながら、土田くんにプリントを渡す。

「書いてもらっていい?」

「うん。交換しよう。」

土田くんのプリントに

[これからヨロシクね]
と、一言記入する。

土田くんから返ってきたプリントには、男の子らしい筆圧の強い字で

[ヨロシク!!]

と書いてあった。

気がつけば教室内はかなりざわついていて、みんな殆ど書き終わったようだ。

慌ててあと二人声をかけて記入してもらう。

担任が突然話し出した。

「あ、言い忘れた。一番上のスペースに学級目標を書くように!」

誰かが、もうそこに違うこと書いちゃったよ〜と、叫び、クラスに笑い声が響く。

「一人いくつでもいいから、たくさん書けよ。」

学級目標か…

美月はふと思い付き、大好きな言葉を書く。

[NEVER GIVE UP!]

もうひとつ思いつく。

[明るく優しく元気よく]

よしっ。
小さく声をだしたら、土田くんが覗いてきた。
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