初恋

虹の帰り道

試合中、体育館の中にいたので気がつかなかったけど、外は雨がふっていたみたい。

ミーティングも終わり、現地で解散となって、亜衣や1年のメンバー数人で帰ることにした。

ここは、山の上のほうの体育館で、バスで20分ほどかかる。

バス停を見ると、行ったばかりで30分ほどこないようだ。

どうせ、荷物もあるので中学に戻らないといけないし、歩いて30分くらいだから歩くことにした。

「今日の試合、ドキドキしたよねー!」

美月が口火を切ると、みんないっせいにあーだこーだしゃべりだす(笑)

「キャップ、5ファールで退場になっちゃうかと思った!」

「あれ、セブンファールになっていたら、まじでやばかったよねー」

「勝ってよかったよね!」

興奮でみなおしゃべりがとまらない。

なんかお腹へったなー、と誰かが言い出した。

「あたし、カロリーメイトあるよー」

「私はチョコある!」

みんなで分け合いながら歩く。そして食べる。

亜衣がふと足を止めて下りてきた山のほうを振り返る。

「虹だ!」

亜衣の声でみながいっせいに後ろを振り向く。

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