初恋

水やり当番

夏休み。

春から育ててきた菊の水遣り当番で、4人ずつ組まされていた。

学年分お水をやるので、意外と重労働だけど、美月は秘かに楽しみにしていた。

同じ当番に、土田くんがいたから・・・

結局夏休みは一度も会えていなくて、練習の日とかすれ違わないかなーなんて淡い期待もしていたのに、そうは上手くいかず・・・

だからこそ、この日を楽しみにしていた。

女子はあずちゃん、男子は隆則と土田くんだ。

気の置けないメンバーで、よかったーと思う。

日差しの強い午後、家から自転車をこいで学校に向かう。

坂も多くて、自転車で15分ほどの距離が、普段は遠く感じるのに、今日はあっという間についた気がした。

自転車をとめて、鍵をかける。

汗をふいて、ペットボトルのお茶を口にする。

(汗くさいかな?)

デオドラントスプレーを一吹き。

水遣り場へ向かう。
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