初恋
「おしっ。これで全部いったかな」

隆則が言う。

みんなで、ざっと鉢を見回す。

「大丈夫・・・かな?」

「じゃー、報告して帰ろうぜ」

みんなで職員室に向かい、水遣りノートにサインする。

隆則と美月はご近所で、あすちゃんと土田くんは同じマンションに住んでいる。

途中まで同じ方向なので、自然と4人で帰ることになる。

「あすちゃんは、夏休みどこか行った?」

「うん~。沖縄へ家族で行ったよ~」

「沖縄!すごーい。いいなー。泳いだ?」

「うんうん。でも焼けちゃった」

そういって笑うあすちゃん。

まったく焼けてませんよ?

色白でうらやましい!

美月も部活は体育館なので、外の部活に比べたら色は白いけど・・・

毎日のランニングで結構日に焼けていた。

なんか細くて可愛くて白いあすちゃんの隣、歩いているのちょっとイヤかも・・・

ちょっぴり卑屈な気持ちになる。

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