+Sariel+
呆然とするあたしをよそに、男は受話器を取ってダイヤルを押した。
ピザ宅配の定員と話している声が、あたしの耳に届く。
・・・まるで、年下みたいだ。
見た限り、20歳くらいだと思うんだけど。
「結局、コーンマヨネーズウィンナーにしちゃったよー??」
男が又、鼻歌を歌いながら戻ってくる。
そして、ソファにドカリと座って。
リモコンでテレビを点けた。
靴はまだ、履いたままだ。
テレビに表示されている、時計を見る。
19:20。
「・・・・・ねぇ」
テレビを、爆笑しながら見ている男に、話しかけた。
男は今度は、こちらを見ずに言う。
「んー??」
「あんたさっき、あたしに〝本当に死にたいのか〟って訊いたよね」
「うん、訊いたねー」
「・・・あんたは、本当に死にたいの??」